個人経営・小さなサロン・治療院運営

一歩前へ。あなたの夢は何ですか?

第3章 目標を再認識しよう <1>

〈1〉経営目標をたてよう

 

 さて、ミッションステートメントが出来上がったら、次は経営目標をたててみましょう。ミッションステートメントのなかで、これからどこへ向かうのかといった経営の方向性を定めました。これからつくる経営目標では、いつまでに、具体的にどのような事業を行うのか、何を達成していかなければならないのか、どのくらいの収益を目指すのかといった具体的な到達点を考え、明確にしていきます。

 

なんだかわくわくしてきませんか?いままで、ぼんやりと思い描いていた自分の整体院、鍼灸院の姿が具体的に見えてくるのです。それを経営者として、あなたが実現させていくのです。

 

 これまであなたは、鍼灸師・整体師としてご自身の技術を磨き、知識を高め、経験をつんでこられたと思います。でも、事業とか経営、収益なんてことを言われたとたん、なんか自分のやることとは違うように感じてはいませんか?そんなことを考えるよりも、自分のスキルさえ高めればやっていけるのではないかと。

 もちろん、そういった選択を否定するわけではありません。ただしこの本は、そうした世間に知れ渡るほどのすごい能力を持ち合わせた人を対象としてはいません。自分自身の腕一本で食べていけるひとは極々わずかです。もしそれだけの能力や、はたまたカリスマ性を持ち合わせているのであれば、既にあなたは世間に知れ渡り、悩まずとも自分の道に邁進できているはずです。収入だってそれなりにあり、こういった経営に関する本を読む必要もないはずです。

 しかしながら、ほとんど全ての人はそのような天才的な能力やカリスマ性なんて持ち合わせていないのが現実です。でも、夢は誰にも負けない、現状を変えたいという強い思いがあなたにはあるはずです。昨日より今日、今日より明日はもっと良くなりたい、前に進みたいと思い毎日仕事に打ち込んでいるのではないでしょうか。だからこそ、この本を手に取ったのですよね。

 

 安心してください。あなたの悩みを解決する手段はあるのです。大好きな仕事をずっと続けていくための方法は確実にあります。そのためには、鍼灸師・整体師としてがんばってきた自分の基礎的な発想を大きく変えていかなければらないのです。経営という視点を新たに持ち、あなたの夢や目標を具体的に本当に実現するのだという意識を加えていくのです。

 もちろん、大好きな整体や鍼灸の施術を続けていくためにです。大好きな仕事をこれからも続けていくためには、自分の夢を実現させるためには、ビジネスという視点が必要不可欠なのです。そのことに抵抗があるのであれば、ただ単に誰かにやっとってもらえばいいのです。そうです、選択の余地はありませんね。

 

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第2章 経営の方向性を見定めよう <1>

〈1〉ミッションステートメント(経営理念)を立てよう

 

 ミッションステートメントの役割

 

 第1章ではあなた自身の目的・目標を明確にしてきました。次はそのあなたが経営する治療院のミッションステートメント(経営理念)に、あなたの目的・目標を注ぎ込むことが必要となります。あなたはこれから主体的にリーダーシップを発揮し治療院を経営していくのです。リーダーシップとは経営に確かな方向性を与えることです。当然ことながら、あなたの目的と目標が、自ずから方向性の基盤となるのです。それを形にしたものがミッションステートメントなのです。

 また、ミッションステートメントは治療院で働くスタッフの行動指針ともなります。施術時の態度のみなず、普段の言葉遣い、お客さまへのお出迎えやお見送り、電話対応、クレームへの対応などスタッフの行動や判断はミッションステートメントによりもたらされるのです。

 

 ミッションステートメントの例

 

 まずは、ミッションステートメントとは具体的にどのようなものなのかという一例をお見せいたします。

 

・笑顔と感動の創出

  人の辛さ・痛み・苦しみを少しでも楽にし、笑顔と感動をお顧客と共有する

 

・自然との共存による自然治癒力の目覚め

 原理原則に従い、豊かな自然環境の中で、人間の自然治癒力を「東洋医学 鍼灸の施術」により導き出し、安心・安全・副作用のない治癒を実現させる

 

・ホスピタリティの実現

 お客さまの潜在的な要望を感じ取り、スタッフ全員の協調により、要望を超えた物語の創出を実現する

 スタッフをお客さまと捉え、全員の幸せをかなえるために、事業を推進する

 

被災地における雇用を創出する

 東日本大震災地区を中心とした地域の雇用を創出する

鍼灸院開設箇所を段階的に増やしていくことで、広域的な雇用創出を図る

 

・医療過疎地での補完医療の役割を果たす

 東洋医学に於ける未病治の考え方に根差し、病に至る前の半健康状態の段階での治癒による医療機関の負担軽減を目指す

 

東洋医学鍼灸による悩み・辛さの解消

 医療機関での検査で異常とならず、本人のみが苦しむ不定愁訴を、東洋医学の見地から治癒に導く

 子供と老人を中心とした弱者の辛さを指一本でも楽にするために「東洋医学 鍼灸の施術」で貢献する

 

・都市部拠点での利益関元

 首都圏等都市部での収益拡大を目指し、そこで得た利益を被災地や医療過疎地の鍼灸院での経営資源とする

 

 いかがでしょうか。上記は私が経営コンサルティングを行ったクライアント様のミッションステートメントです。なぜその仕事をするのかという理念が明確なっています。このミッションステートメントにより、経営指針が明確にされることによって、この後の章に書かれている数々の経営戦略や運営手順も初めて活きてくるのです。

 

 方向性を持たない経営は、コンパスを持たずに航海に出るようなものです。船は大海原の中で方向を見失い、いづれ食料や水が尽き果て難破してしまうでしょう。ライバルである近隣の競合店がしのぎを削りあっている競争環境において、進むべき方向が明確になっていることで、この後の章に書かれている数々の戦略も活きるのです。小手先のその場しのぎの対処療法ではない、本当の経営戦略を立てるためにも、是非あなたのミッションステートメントを書き上げてください。

 それはまた、あなた自身のみならず、働くスタッフ全員の意識にも影響を与え、さらには訪れるお客さまにも自ずと治療院に対する信頼感を与えるものとなっていきます。

 

 書き方は自由です。箇条書きでも、ひとつの文章としてまとめるのもいいでしょう。あなたが道に迷わずに歩んでいけるように、日々無理なくそのミッションステートメントに目を通せる形で表現してみてください。

 

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第1章 目的と目標を明確にしよう <8>

〈8〉経営目標の設定

 

 ここでは、これまで私がお会いしてきた鍼灸院や整体院経営者からお聞きした目標をいくつかご紹介します。参考にしてください。

 また、各例ごとに(~20××年)といった実現期限も書かれています。ここでは、あまり難しく考えずに、今後の自分自身のライフプラン全体を考えながら、いつまでに実現したいのかといった期限も決めるみてください。今後詳細に各種検討を進めていく中で期限はより明確になっていきますので、今の時点では「いつまでに実現できればうれしいな」といった程度の希望で問題ありません。

 

都内での鍼灸院の開設(~20××年)

自分の生まれ育った土地である東京都内にて鍼灸院を開設し、各種経営手法を確立しパイロットモデルとする

ここで得た経験、ノウハウ等を活かし、他の地域にも系列店を拡大する

 

被災地での複合型鍼灸院の開設(~2018年)

復興特区にて鍼灸院開設

被災地での医療環境向上の一翼を担う

被災地での雇用創出を実現させる

 

Caféを併設した鍼灸院の設立(~20××年)

地域コミュニティの場を設け、同時に集客効果をねらう

Café内での健康相談等の施策による顧客固定化をねらう

 

医療過疎地での養生型鍼灸院の開設(~2020年)

温泉地での複合型鍼灸院設立

豊かな自然環境の中での療養型鍼灸院による、慢性疾患患者や心の疲れを持った患者の滞在療養による回復を図る

温泉療養・湯治による治療効果を鍼灸治療に取り入れ、慢性疾患や心身症等に対する長期治療・回復を実現させる

温泉の絶大な集客効果を取り入れた経営基盤の安定化を目指す

 

 さて、あなたの治療院をいつまでに、どんなコンセプトで設立したいのか、その具体的な目標を思い描くことは出来ましたか?

 時間がかかってもかまいません。人によっては、3ヶ月以上考え作り上げたという例もあります。ふとした思い付きや、町の中を歩いていてたまたま目についたものがヒントになる場合もあります。そうしたものを手帳などに記録し続け、心の中で暖め、自由な発想で是非あなただけにできる経営イメージを膨らましてください。

 

 とても大切な目標となりますので、イメージは具体的な目標として文章に書くことが大切です。あなたの治療院の全体を貫く基本的な概念、それがコンセプトです。そして、それを実現させるために時期をできるだけ明確にすることが、夢の実現に向けた最初の一歩なのです。

 

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第1章 目的と目標を明確にしよう <7>

〈7〉どんな治療院を目指すのか

 

 まず始めに、治療院をいつまでに立ち上げるのか、どんな治療院にしたいのかというコンセプトを決めていきましょう。これが最初の大きな一歩です。憧れの鍼灸・整体院というあなたの夢をかなえるための大切な場所をどんな内容で作るのか。

 (既にご自分の治療院はあり、今後の経営安定、収益力強化といった目的で本書をお読みになっている方は、この「開設時期を決める」のパートは読み飛ばしてください)

 

 この際に、自分自身の心のストッパーは外してください。治療院の立ち上げといっても今の私には資金がない、本当に私の今の施術スキルでやっていけるのだろうか?もんもんとした不安がわいてきたのではないでしょうか。しかし、それは至極当然の心の動きです。誰かに雇われて、当たり前のように毎月お給料をもらい、朝決められた時間までに出勤し、毎日同じように施術を行い、時間になれば帰宅する。こんな楽な生活をしている自分が、あるときから治療院のオーナー、経営者になるのです。不安になるのも仕方ありません。

 ここでまた、自分自身の発想の切り替えが必要になります。いままでのあなたは、ある意味ぬるま湯に浸っていたのです。誰かがあなたの代わりに治療院経営という仕事を行い、その分あなたはそれを意識せずに、施術することにだけ集中してくることが出来たのです。でも、あなたには夢があるのです。自分自身の治療院を作り、自分が決めた方針で運営し、患者様のために働き、辛さを解消して差し上げ、更には収入も増やして活きたいという強い思いがあるはずです。あなたの夢をかなえるためには、自分の心のストッパーを解除することが必要なのです。心のストッパーを解除するためには、夢に向かって最初の一歩を踏み出さなくてはならなのです。具体的に、いつまでに治療院を立ち上げるのだという目標を掲げることがその一歩なのです。

 

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第1章 目的と目標を明確にしよう <6>

〈6〉経営目標をたてよう

 

 さて、ミッションステートメントが出来上がったら、次は経営目標をたててみましょう。ミッションステートメントのなかで、これからどこへ向かうのかといった経営の方向性を定めました。これからつくる経営目標では、いつまでに、具体的にどのような事業を行うのか、何を達成していかなければならないのか、どのくらいの収益を目指すのかといった具体的な到達点を考え、明確にしていきます。

 

 なんだかわくわくしてきませんか?いままで、ぼんやりと思い描いていた自分の整体院、鍼灸院の姿が具体的に見えてくるのです。それを経営者として、あなたが実現させていくのです。

 

 これまであなたは、鍼灸師・整体師としてご自身の技術を磨き、知識を高め、経験をつんでこられたと思います。でも、事業とか経営、収益なんてことを言われたとたん、なんか自分のやることとは違うように感じてはいませんか?そんなことを考えるよりも、自分のスキルさえ高めればやっていけるのではないかと。

 もちろん、そういった選択を否定するわけではありません。ただしこの本は、そうした世間に知れ渡るほどのすごい能力を持ち合わせた人を対象としてはいません。自分自身の腕一本で食べていけるひとは極々わずかです。もしそれだけの能力や、はたまたカリスマ性を持ち合わせているのであれば、既にあなたは世間に知れ渡り、悩まずとも自分の道に邁進できているはずです。収入だってそれなりにあり、こういった経営に関する本を読む必要もないはずです。

 しかしながら、ほとんど全ての人はそのような天才的な能力やカリスマ性なんて持ち合わせていないのが現実です。でも、夢は誰にも負けない、現状を変えたいという強い思いがあなたにはあるはずです。昨日より今日、今日より明日はもっと良くなりたい、前に進みたいと思い毎日仕事に打ち込んでいるのではないでしょうか。だからこそ、この本を手に取ったのですよね。

 

 安心してください。あなたの悩みを解決する手段はあるのです。大好きな仕事をずっと続けていくための方法は確実にあります。そのためには、鍼灸師・整体師としてがんばってきた自分の基礎的な発想を大きく変えていかなければらないのです。経営という視点を新たに持ち、あなたの夢や目標を具体的に本当に実現するのだという意識を加えていくのです。

 もちろん、大好きな整体や鍼灸の施術を続けていくためにです。大好きな仕事をこれからも続けていくためには、自分の夢を実現させるためには、ビジネスという視点が必要不可欠なのです。そのことに抵抗があるのであれば、ただ単に誰かにやっとってもらえばいいのです。そうです、選択の余地はありませんね。

 

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 第1章 目的と目標を明確にしよう <5>ミッションステートメントの例

 ミッションステートメントの例

 

 まずは、ミッションステートメントとは具体的にどのようなものなのかという一例をお見せいたします。

 

・笑顔と感動の創出

  人の辛さ・痛み・苦しみを少しでも楽にし、笑顔と感動をお顧客と共有する

 

・自然との共存による自然治癒力の目覚め

 原理原則に従い、豊かな自然環境の中で、人間の自然治癒力を「東洋医学 鍼灸の施術」により導き出し、安心・安全・副作用のない治癒を実現させる

 

・ホスピタリティの実現

 お客さまの潜在的な要望を感じ取り、スタッフ全員の協調により、要望を超えた物語の創出を実現する

 スタッフをお客さまと捉え、全員の幸せをかなえるために、事業を推進する

 

被災地における雇用を創出する

 東日本大震災地区を中心とした地域の雇用を創出する

鍼灸院開設箇所を段階的に増やしていくことで、広域的な雇用創出を図る

 

・医療過疎地での補完医療の役割を果たす

 東洋医学に於ける未病治の考え方に根差し、病に至る前の半健康状態の段階での治癒による医療機関の負担軽減を目指す

 

東洋医学鍼灸による悩み・辛さの解消

 医療機関での検査で異常とならず、本人のみが苦しむ不定愁訴を、東洋医学の見地から治癒に導く

 子供と老人を中心とした弱者の辛さを指一本でも楽にするために「東洋医学 鍼灸の施術」で貢献する

 

・都市部拠点での利益関元

 首都圏等都市部での収益拡大を目指し、そこで得た利益を被災地や医療過疎地の鍼灸院での経営資源とする

 

 いかがでしょうか。上記は私が経営コンサルティングを行ったクライアント様のミッションステートメントです。なぜその仕事をするのかという理念が明確なっています。このミッションステートメントにより、経営指針が明確にされることによって、この後の章に書かれている数々の経営戦略や運営手順も初めて活きてくるのです。

 

 方向性を持たない経営は、コンパスを持たずに航海に出るようなものです。船は大海原の中で方向を見失い、いづれ食料や水が尽き果て難破してしまうでしょう。ライバルである近隣の競合店がしのぎを削りあっている競争環境において、進むべき方向が明確になっていることで、この後の章に書かれている数々の戦略も活きるのです。小手先のその場しのぎの対処療法ではない、本当の経営戦略を立てるためにも、是非あなたのミッションステートメントを書き上げてください。

 それはまた、あなた自身のみならず、働くスタッフ全員の意識にも影響を与え、さらには訪れるお客さまにも自ずと治療院に対する信頼感を与えるものとなっていきます。

 

 書き方は自由です。箇条書きでも、ひとつの文章としてまとめるのもいいでしょう。あなたが道に迷わずに歩んでいけるように、日々無理なくそのミッションステートメントに目を通せる形で表現してみてください。

 

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第1章 目的と目標を明確にしよう 〈5〉 ミッションステートメントの役割

〈5〉ミッションステートメント(経営理念)を立てよう

 

 ミッションステートメントの役割 

 第1章ではあなた自身の目的・目標を明確にしてきました。次はそのあなたが経営する治療院のミッションステートメント(経営理念)に、あなたの目的・目標を注ぎ込むことが必要となります。あなたはこれから主体的にリーダーシップを発揮し治療院を経営していくのです。リーダーシップとは経営に確かな方向性を与えることです。当然ことながら、あなたの目的と目標が、自ずから方向性の基盤となるのです。それを形にしたものがミッションステートメントなのです。

  また、ミッションステートメントは治療院で働くスタッフの行動指針ともなります。施術時の態度のみなず、普段の言葉遣い、お客さまへのお出迎えやお見送り、電話対応、クレームへの対応などスタッフの行動や判断はミッションステートメントによりもたらされるのです。

 

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