第1章 目的と目標を明確にしよう <5>ミッションステートメントの例
ミッションステートメントの例
まずは、ミッションステートメントとは具体的にどのようなものなのかという一例をお見せいたします。
・笑顔と感動の創出
人の辛さ・痛み・苦しみを少しでも楽にし、笑顔と感動をお顧客と共有する
原理原則に従い、豊かな自然環境の中で、人間の自然治癒力を「東洋医学 鍼灸の施術」により導き出し、安心・安全・副作用のない治癒を実現させる
・ホスピタリティの実現
お客さまの潜在的な要望を感じ取り、スタッフ全員の協調により、要望を超えた物語の創出を実現する
スタッフをお客さまと捉え、全員の幸せをかなえるために、事業を推進する
・被災地における雇用を創出する
東日本大震災地区を中心とした地域の雇用を創出する
鍼灸院開設箇所を段階的に増やしていくことで、広域的な雇用創出を図る
・医療過疎地での補完医療の役割を果たす
東洋医学に於ける未病治の考え方に根差し、病に至る前の半健康状態の段階での治癒による医療機関の負担軽減を目指す
医療機関での検査で異常とならず、本人のみが苦しむ不定愁訴を、東洋医学の見地から治癒に導く
子供と老人を中心とした弱者の辛さを指一本でも楽にするために「東洋医学 鍼灸の施術」で貢献する
・都市部拠点での利益関元
首都圏等都市部での収益拡大を目指し、そこで得た利益を被災地や医療過疎地の鍼灸院での経営資源とする
いかがでしょうか。上記は私が経営コンサルティングを行ったクライアント様のミッションステートメントです。なぜその仕事をするのかという理念が明確なっています。このミッションステートメントにより、経営指針が明確にされることによって、この後の章に書かれている数々の経営戦略や運営手順も初めて活きてくるのです。
方向性を持たない経営は、コンパスを持たずに航海に出るようなものです。船は大海原の中で方向を見失い、いづれ食料や水が尽き果て難破してしまうでしょう。ライバルである近隣の競合店がしのぎを削りあっている競争環境において、進むべき方向が明確になっていることで、この後の章に書かれている数々の戦略も活きるのです。小手先のその場しのぎの対処療法ではない、本当の経営戦略を立てるためにも、是非あなたのミッションステートメントを書き上げてください。
それはまた、あなた自身のみならず、働くスタッフ全員の意識にも影響を与え、さらには訪れるお客さまにも自ずと治療院に対する信頼感を与えるものとなっていきます。
書き方は自由です。箇条書きでも、ひとつの文章としてまとめるのもいいでしょう。あなたが道に迷わずに歩んでいけるように、日々無理なくそのミッションステートメントに目を通せる形で表現してみてください。